法律を如何に学ぶか
2017/10/16
私は、今年(2017年)で1987年の弁護士登録から30年の節目の年を迎えました。私自身、如何に長く弁護士を続けようとも、弁護士としての職責を果たし続けるためには、日々、法律や判例など学び続けていかなければならないと考えております。このコラムでは、長年、法律を扱っていた実務家として、また、学生に法律を教えてきた経験から、初学者や一般の方々にとっては、とっつきにくいと思われている法律について、会社法を中心に、できるだけ平易に解説を試みたいと考えております。ご参考になるかどうか分かりませんが、自分自身の備忘的な意味合いも込めて掲載させて頂きます。第1回目は、「法律を如何に学ぶか」です。
1.条文を確認する
法律を学び、理解するためのすべての出発点は条文です。各種書籍を読む際には、面倒でも、必ず六法を横において、条文を読んで確認します。条文を読むことにより、法律に慣れ親しむことができるようになります。また、条文を読むことによって、その条文がその法律全体のどの当たりに位置しているか、その法律には他にどのような条文があるのかといったことを知ることができ、その法律全体を理解することが可能になります。
2.判例を学ぶ
次に、判例を学ぶことが重要です。裁判所が、具体的事件に法律を適用して、判決をする際には、必要な範囲において法律解釈を伴います。この法律解釈には、同種の事件に適用される一般的規範が含まれており、それが判例として扱われて、後に起こる別の事件で同じ法律解釈が争点になったときには、先例として拘束力を有することになります。特に最高裁の判例は、法律を適用解釈するにあたって、解釈基準としての機能を果たしています。そこで、その法分野で重要とされている判例について、結論を暗記するだけではなく、その判例の事案の概要、争点となった問題の所在(どの条文が問題になっているのか、利益状況はどうなっているか等)を把握し、その判例がその結論を採用するに至った具体的理由を考察することが重要です。
3.地道な努力
法律を学び、理解するには、残念ながら、近道はなく、地道な努力を続けるしかありません。そのためには、基本書・条文・判例を「読む」、学んだことを「書く」、講義等を「聞く」を繰り返していくことが必要と考えます。
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